俺と落語と立川談志

談志が亡くなったということで。
僕が大学生の頃に落語をやっていたのはご存じのことかと思います。
ん??
芸名は、剛家茶夢風流と書いてゴーヤチャンプルでした。
ん??
当時、一番最初の落語は、この中かから決めましょうというリストがありまして、簡単すぎる説明文から、お買い得そうな「権兵衛狸」というのを選びました。
それで、いくつかテープを聞いてみたんですが、驚きましたね。
全然面白くねえんだよ。
その時、落語を選び直すという発想がまるでなくて、中でも一番おもしろかった談志のものを基に作り込むことにしました。
まぁ、その談志でさえ、おもしろいものは枕だけだったと覚えてますが。。
といいつつも、大きな理由がひとつ。
権兵衛狸の味わい深いところに、権兵衛の家を狸が訪れて、家の玄関の扉を叩いて「権兵衛さん」と呼びかけるシーンが何度もあります。
ここが、つまんねえと感じてたんですよ(爆)見せ場なのに。
郵便のおじさんがやってきて、扉を叩いて「郵便で~す」つうのあるっしょ。
あれを「権兵衛さ~ん」ってした感じ。つうか、それだけ。
談志のは、扉を短く叩いて声がけするのを3回立て続けに行うシステムでした。
トントン「ゴンベエ」、トントン「ゴンベエ」、トントン「ゴンベエ」
狸が徐々に権兵衛の呼び方に親近感を示すあたりが談志の権兵衛狸の良かったところですね。
僕はこちらを基に演じたわけです。
なんだかんだで、自分の権兵衛狸の面白さ手応えって、全くないままなんですよね。
だから、他の落語を覚えてからは、あんまりやりたくなかったわけです。
これは初めての告白。
ちなみに、僕の一番の傑作は「桃太郎」です。岡山出身という嘘のような本当の話を生かして枕も自然ですから。
権兵衛狸は、私が覚えた最初の落語ですから、思い入れありますけどね。
ご冥福をお祈り申し上げます。

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