BALMUDA Phone私的インプレッション

SIMフリーAndroid族である私が、無視できるわけがない怪物、BALMUDA Phone。その全容が、2021年11月16日に明らかになった。情報解禁後、株価が下がったという傾向が見えたが、因果関係は不明だ。

以下、カタログスペックや報道で確認できる情報に基づき、行く末を妄想する。実機に触っていないので、真偽はすべて不明である点はご了承ください。

売れないと思う

売れないと思う。でも、、0台ではないと信じたい。たくさん数がでなくても、赤字かどうかはわからないので、事業としての成否は、決算を楽しみにするといいのではないか。

売れないと思った理由

iPhoneの方が、ステキな外観に思えたから。

「Snapdragon 765のクセに高い」などの意見もあるが、こういうスペック的な観点は二の次にして、工業製品としての美しさでiPhoneだと思った。

「じゃあ、BALMUDA PhoneはAndroidの中で一番ステキなのか」と言われると、そんなわけないと思う。

もっぱらスマホガチ勢に刺さらなそうな多くの特徴

とにかく、スマホのメインストリームが備えていそうな特徴に対して、逆に行ったBALMUDA Phone。超絶ニッチなデバイスである。

そうは言っても、刺さる人には刺さると信じたい。刺さらなかった私が感じたよくない点を列挙していきたい。

コストパフォーマンス

販売価格が10万円に達する端末は、一般的にハイエンドに位置づけられており、Snapdragonなら800番台が搭載されて当然と考える。スマホのスペックを語るタイプの人は、この時点で全員脱落してしまうだろう。

丸い形状

私だけのこだわりかもしれないが、平面に置いた時にガクつかない、とどのつまり背面は平面に仕立ててほしい。

音ゲームのプレイヤーになって考えてほしいのだが、ガタガタ揺れる端末ではプレーしにくいことは想像に難くない。音ゲームプレイヤーは、ここで全員脱落してしまうだろう。

なお、ワイヤレス充電に対応という思いがけない装備をしてきたが、平面でない形状のスマートフォンであることを考慮すると、縦スタンド型のワイヤレス充電器に設置できず、倒れてしまうのではないだろうか。なお、私はAnker PowerWave 10 Standを使っているが、端末を立てかけるところのサイズを計測したところ、約14mmだった。BALMUDA Phoneのカタログでは、厚さは約13.7mmとのことだ。端末にケースを装着してしまう状況では立てかけるスペースよりも厚みが出てしまい、マジでダメな可能性が高くなってしまう。

ワイヤレス充電器を使うなら、テーブル形にした方がいい。俺は言ったからな。一方、こんな心配をさせてしまう端末形状のわりに、専用のワイヤレス充電器は現状ラインナップされていないようだ。残念。

勘がいい方はお気づきかと思うが、スマホスタンドの中にはこの丸い背面のせいで使えないケースが出てくると思われる。BALMUDA Phoneを使う場合は、アクセスサリ選びも慎重にだ。

念のため申し添えるが、私はPixel 6を使っている。Pixel 6は背面のカメラ部分が飛び出ている形状なので、「お前のスマホかて、背面ガタガタやないか」とツッコまれてしまうのだが、純正のケースを使うと、カメラ部分の上下がカメラよりやや出っ張っており、それが上手く支えになってガタつくことはない。よかった……

余計なもの、足りないもの、不明で不安を感じるもの

Android端末で不評なものの代表と言えば、端末メーカー独自アプリだ。使わないくせに、消せないという二重苦を感じるユーザーがいると聞く。私がXperiaを使っていた頃の不満の一つだった。BALMUDA Phoneは、独自アプリをウリの一つにしており、この点も完全に逆に行ったと私は考えている。

お気に入りは、桁数が区切りの勘まではなく、桁の表記”億”とか”万”とかが直接表示される電卓だ。私は、簿記2級に4回不合格するくらいは電卓に触っているが、こんな桁表示をする電卓は一度も見たことがない。もちろん、ほしいと思ったことも、あったらいいなとおもったこともない。こんなアプリを実装してしまう前に、BALMUDA Calculatorなどと銘打って、独自の電卓を販売し市場の反応を見てもよかったのではないか。なお、BALMUDA Calculatorあったとしても買わない。ただ、高額な商品を売るようなお店だと、こういう桁表記のがワンチャンわかりやすいのかもしれないと思った。すると、、、高級ブティックとかの商談用でBALMUDA Phoneが売れるのではないか!?!?!?!?勝ち筋が見えた(?)

スケジュールアプリなどは、他のどのアプリより優れている可能性があるが、それを動機にBALMUDA Phoneを買う可能性は少ないだろう。

足りないと思われたのは、バッテリー容量だ。画面が6インチ以上が当たり前な最近のスマホに対し、約4.9インチと明らかに小さなBALMUDA Phoneであるが、前者は4,500mAh程度はバッテリーを詰んでくるものの、BALMUDA Phoneは2500mAhである。何をするわけでもないが、少なすぎる印象を持って当然である。なんとな~くだが、大きさに対して搭載したバッテリー容量で言うと、3年くらい時代遅れな設計だと感じてしまう。

他に足りないものは、カメラ性能のアピールだ。もっとも、単眼でシンプルに性能が劣っている可能性がある。食品の撮影に優れているといった話は見たが、Foodieのような人気アプリと単純比較できるわけでなく、フードコーディネーターのようなプロフェッショナルくらいにしか刺さらないかもしれない。また、現在のスマホはAIを活用した処理が、スマホがスマートであるゆえんとすら言える。アピールするようなことはないが、AIは活用しているということであれば、逆に中途半端だ。むしろ機械にイニシアティブを握らせない所有者中心のスマホなどアピールした方がいいかもしれない。ガラケーでよかったのかも。

不明で不安を感じるものは、ディスプレイ素材だ。4.9インチで、1920×1080ドット、454(H)×449(V)ppiのスペックとあるが、液晶か有機ELかわからなかった。雑に調べたところでも、情報がない。まさか液晶だとは思わないが、万一液晶だったら、もう泣いた方がいいかもしれない。気になりすぎて、眠くならないと眠れなそうなので、問い合わせをした。返答があったら、追記します。
→サポートから回答があり、液晶とのことだった(2021年11月17日22:37追記)

どんな人にオススメできそうか

私は以下と考える。

  • BALMUDAが大好き
  • デザインに、心を奪われすぎた
  • スマホの超絶ライトユーザー
  • 高級ブティック・超高額で時価の商品を扱うお店での電卓として

電卓用が一番売れるかもよ……

終わりに

私にとって、「Pixel 6を早まって買ってしまった」という事態にならず残念です。

とかいいつつ~、BALMUDA製品を何も持っておらず、最近はコーヒーメーカーで豆が挽けなくて失望していたくらいだから、ブランドの方向性があっていないのだと思う。

日本のスマートフォン市場がiPhone一強の様相であるところに一石を投じたいという心意気は理解しましたが、ユーザーの多くはiPhoneにどんなケースをつけるかが関心事であることを踏まえると、頑張り方が間違っていると思わざるを得ない。

万一、スマホ自体の動作や、バッテリー持ちが不評だったら、それこそ厳しいことになるだろう。BALMUDAの製品は、割引することを見たことないが、ソフトバンクショップ経由で大安売りという事態も出てくるかもしれない。

BALMUDAとしても、大量に売れるとは思っていないだろうが、持ち前のマーケティング戦略の見せ所といったことかもしれない。

それでは。