眠る孔雀

今日、金曜日ですね。そう、今週最後の平日です。
ほとんどの人にとって、きっと普通の一日なんでしょうが、私にとっては忘れられない一日になりました。
今日、2度涙を流しました。
1度目は、新幹線の中です―
今週の水曜日にあった、最も大切な夢への最終面接のことをずっと考えていました。
最近は、東京に行くときに、大竹佑季『眠る孔雀』のCDを聴いていました。
彼女は、今年3月までイキナリ!火曜日の担当で、このラジオ番組をきっかけにすごくファンになりました。
ホリプロスカウトキャラバンで、「自分の世界観を持った女性シンガー」という選考テーマのもとに誕生した歌手。私は、大竹佑季ちゃんの歌を聴くと、なぜか不完全さを感じて、それがもうピッタリと自分に重なるように思えるのです。去年の大学祭に突然出演が決まり、もちろん見に行ったのですが、本当に感激しました。
話を戻しますと、もし願いが叶い、先日の会社で働けるなら
俺は生まれ変わるだろう
そう思っていました。
ラジオという今まで自分の趣味として考えていたものが、自分のフィールドになる。そのことを考えると、ずっと震えが止まらなかった。
ただ、何かを得るということは、同時に何かを失うということだとも感じていました。今まで楽しむことを無限大に許されたリスナーであることを、そう、今現在ある「オーバータイム」でなくなることを―
しかし、それを打ち破る確信がありました。それは、自分が担うラジオの世界は、自分が一番のファンでいれること―
雄の孔雀は、美しく羽を広げるそうです。『眠る孔雀は 目覚める日を待っている』まさに、その通りでした。
その後、保険会社の面接を受け、まったく手応えもなく、揺らぐ気持ちを保ちながらホテルに向かう途中、私の携帯電話に着信がありました。
来たか―
やはり、静かなところで出たいので、ホテルへ急ぎ、部屋に入ったと同時に再び電話が鳴りました。
やはりそうでした。
先日の面接でのお礼―そして、選考結果。
私の夢は、叶いませんでした
不思議なもので、私はまるでその結末を知っていたかのように冷静でした。
総務部長からの電話でしたが、社長は私の面接での話を「思わず聞き入ってしまった」とおっしゃっていたそうです。それでも私は、そこで生きる権利は与えられなかったのです。
電話から少し経って、涙が溢れてきました。もう2時間は経ったかな…それでも―
今は、まるで全身の血を全部抜き取られたかのようです。掴みかけた羽が消えてしまった―
こんなことは言うべきじゃないんでしょうが、もうキツイです。
それでも、僕は生きる。まだ眠っているんだから。必ず、美しい羽を持って、目覚めるために