夢のない話

大学へ来てみると、携帯電話と腕時計を忘れたことに気がつく。
「あぁ…」
とうなだれてみるも、せいぜい週末になると届くマクドのケータイクーポンのメールくらいだと確信し、無視する。
さて、話題はそんなことではない。
今朝、目が覚めテレビをつけると、松坂大輔氏が会見をしている様子が流れていた。
「うぅぅん…」
とりあえず、めざましテレビのチャンネルに変えてみる。
同じだった。
そこで、今後話題となりそうな「夢は持たない」発言を見る。
「ほぅ…」
と思った。
それで終わりなら、記事にならない。
私は、バナナを食べながら、なかなかに興味深い発言をしたものだと思った。まぁ、「夢は持たないが、強い信念を持って行動する」という松坂氏の考えは理解したつもりである。
それにしても、奥様である柴田アナは好きだったな。日テレ入社1年目から注目していたもの。
私は、女子アナ好きを告白したいから言っているのではない。
頭の固いPTAなどは、おそらく子どもにとって憧れの存在と言える松坂氏が「夢は持たない」などと公衆の場で発言したことにお怒りするのではないか。
そんなPTAは愚か者である。
松坂氏がプロ1年目のとき、イチロー氏を3三振にしとめ、「自信が確信に変わった」とインタビューで発言したことがあった。
また、怪物と称された江川卓氏との対談で「バッター全員に全力で投げるわけではない」などの自身の投球観について語ったこともあった。
挙げれば他にもいろいろ注目するべきことはあるだろうが、松坂氏の発言は常にリアルであるように思う。
「夢は叶わないから」ということを今日の会見で述べた松坂氏。彼の根本には、達成することの意義を置いてるのではなかろうか。
成せるからこそ、意味のあることである。
地に足の着いた考え方である。
私は、夢は持ったほうがよいと考えている。それが一種の最終形として君臨し、安易な妥協を避ける役割を果たす。夢を実現する過程のチェックポイントを目標と定義し、目標を順次果たしていくことが生活の面白さと私は考える。
私の実体験で言えば、夢は全てが叶うほうが珍しいといえるだろう。
人は、一度くらい「憧れ」のような存在を持つことがあるだろう。
まさに、その存在である松坂氏。その卓越した能力や才能を持ってすら叶わないものがあるとしたら―
例えば、将来大リーグで活躍するという夢を持った、憧れの選手が松坂氏という小学生がいるとしよう。
松坂氏が大リーガーになることを夢だとしていたら、これは暗黙に「大リーガーになることは、実現不可能だと」言っているに等しい。
なので、私は
「夢は叶わない」というのは、夢を持つことが罪なのではなく、夢は夢として終わらないように、自分で実現できるリアルなものである
という想いがこめられているものと解釈した。そして、その過程の一つを自分の生き方を通じて見せたのである。
なんとも、「夢」のある話に感じられた。
注)
・引用した出来事において、事実と反するようなことがあったらお許しください
・私は、中日ファンです