優しさの理由

昨日の帰宅電車での出来事なんですが。
優先席に女性が座っていました。
若い人でしたね。法律的には僕よりは年上の気はしましたが。
まぁ、よくある話です。
その女性は、有名な発泡酒である淡麗の350ml缶を飲んでいました。
僕は、女性が優先席で発泡酒を飲むという珍しい光景に興味を持ちました。
まぁ、偶然その女性の前に立っていただけなんですけどね。
そのシュチュエーション見て、「悲しいことがあったんだ」と妄想しました。
もちろん、そんな保証はないのですが、そのように考えた方がいろいろ都合がいいと感じたからです。
自分勝手で申し訳ございません。
近くにおばあちゃんが乗ってきました。
その女性はおばあちゃんの存在を認識し、席を譲ろうと声をかけました。
持っていた淡麗は居場所がなさそうでした。いや、そう思えました。
僕は、デフテックのMy Wayを聞いていた関係上、はっきりとした応答は分かっていませんでした。
席の交代は起こりませんでした。
おばあちゃんが、「すぐ降りますから」と答えたんですね。
昔はよく議論になったものですが、席を譲ろうとしたが断られた場合、席はどうするんだという問題があります。
つくづく不毛だと私は思っています。譲った人がまた座ればいいと考えているので。
今回は、その通りになりました。
おばあちゃんは2駅目で降りました。
万一、お姉さんの方が先に降りる事態になっていたら…と考えるとぞっとしました。
おばあちゃんは、お姉さんに「ありがとうね」と伝えて降りました。
お姉さんも笑顔でした。
その後、お姉さんは淡麗を飲んでいました。
飲んでは下を向いて、鼻をいじっています。
やっぱり、泣いているのかと思いましたが、涙を流してはいないようでした。
ここまで入れこんでしまうと、淡麗をそうまでして飲む理由を、私の中で納得したくなっていました。
長距離乗車で飲酒している人は少なくないので、そのたぐいかと…
しかし、僕と同じ駅で降りました。5駅目…
じゃあ、やっぱりお酒好きということだったのでしょうか。
ただ、席を譲るという行為で、彼女が心の平穏を求めていたとしたら。
おばあちゃんの心は染みたでしょう。
お酒とは違う方法で、平穏を見い出したのですかね。
結局は分からないままでした。